産業技術総合研究所と信越化学工業（株）は、信越化学工業が開発したシリコーン封止材について共同で評価試験を行い、同封止材が耐久性に優れると共に、PID現象による出力低下を抑制することを確認したと発表した。太陽光発電システムを海上や沿岸部などに設置するケースがあり、従来よりも厳しい環境下での信頼性が求められている。また、モジュールに高電圧がかかって出力が大幅に低下してしまうPID現象への耐性を評価する必要性が増している。今回、信越化学工業が開発した太陽電池モジュール用のシリコーン封止材を用いた太陽電池モジュールの評価試験を行った結果、優れた耐久性を示した。また、この封止材を用いた単結晶n型シリコン太陽電池モジュールの評価試験では、PID現象による出力低下を抑制する効果が確認された。この封止材は、従来のシリコーンとは異なりシート状であり、太陽電池モジュールの製造工程に使用される一般的な設備で使用できる。今後、単結晶n型シリコン太陽電池モジュールをはじめ、厳しい環境下での太陽光発電システムの導入拡大や長期信頼性向上への貢献が期待されるという。