産総研など、海水のpH測定法が国際規格として発行されたと発表
発表日:2015.09.02
産業技術総合研究所は、海洋研究開発機構及び(株)環境総合テクノスと共同で、海水の水素イオン濃度指数(pH)測定法を国際標準化機構(ISO)に提案し、国際規格ISO18191として発行されたと発表した。同測定法は、分光光度計を利用した比色法によるpH測定方法。光路長(測定光が試料を通過する距離)10 cmの分光光度計用ガラスセルに海水を封入し、指示薬(メタクレゾールパープル)を添加する前後の吸光度を精密に測定する。メタクレゾールパープルは一般的な海水のpHの変動範囲(7.3~8.3)で鋭敏に色が変化するため、特定の波長の吸光度を測定してpHを求める事ができる。測定試料の温度管理を厳密に行うことなどに注意する必要があるが、一般的な器具・装置で高精度な測定が可能である。適切な手法で指示薬の純度を高めれば、原理的に標準溶液を用いる必要がなく、海水のpHを正確に測定できる。今後、地球温暖化対策技術である二酸化炭素の海底下地層貯留における漏洩監視や海洋酸性化研究などへの貢献が期待されるという。
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