東京大など、海洋酸性化がサンゴの石灰化阻害などに与える影響を評価
発表日:2017.08.21
東京大学大気海洋研究所、海洋研究開発機構、産業技術総合研究所、気象庁気象研究所の研究グループは、サンゴ骨格から海洋酸性化の履歴を読み解き、石灰化阻害などの影響を評価した。今回研究グループは、父島(小笠原諸島)・喜界島(奄美群島)に生息し、100年以上生きるとされる造礁サンゴの一種、ハマサンゴの骨格を対象として、そのホウ素同位体比および炭素同位体比を分析した。その結果、海洋酸性化による海水のpH低下により、サンゴの石灰化母液のpHも低下することが明らかとなった。これは、サンゴの石灰化母液は恒常性を保とうとする機能を有するため、環境の変化によってpH低下は置きにくいとする従来の見解とは異なるもので、海洋酸性化が石灰化阻害に影響し始めていることを示唆しており、サンゴ礁生態系の未来を予測する上で重要な知見であるという。
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