福岡工業大学は、工学部の阿比留教授が「フラッター水力発電装置」に関する技術発明の特許権を取得したことを発表した。特許を取得した技術は、水中翼の往復運動を発電機の一方向の回転に変換するための機械構造に関するもの。フラッター水力発電は、1）落差形成及び取水のための大掛かりな工事を行わなくても、普通の水流で十分な発電が可能であり、2）高速回転部を持たないシンプルな構造であるといった特徴を持っている。そのため、低コストかつ落差のない水路にも設置可能で、ごみの付着や詰まりに強く、魚やカエル等の水中生物が巻き込まれる恐れがなく、環境調和性が高く、安全であるという。現在は試作段階にあるが、試験機の大型化もしくは小型装置の複数台設置により、発電量を増やすことは十分可能で、農業用水路における設置に適しており、農村地域におけるLED外灯の点灯や災害時の非常用電源、電動農機具の夜間充電等への活用が期待できるという。なお、同設備は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村農業用水路に設置し、効果を検証しており、熊本地震後も正常に作動している。