日本ガイシ（株）は、高度なセラミック技術を駆使して独自構造の固体酸化物形燃料電池（SOFC）セルとスタック（発電素子）を開発し、出力700W、作動温度800℃の定置型スタックで世界最高レベルとなる63%の発電効率と90%の高い燃料利用率を達成したと発表した。同社は、セルの支持体である燃料極の全面に電解質（ジルコニア）の薄膜（厚さ5マイクロメートル）を形成して抵抗を下げるとともに、セルの両面に空気極を形成して大きな発電面積を確保することで高出力を実現。また、セルの内部に燃料ガスを供給する空間（流路）を形成し、燃料ガスがセル全体に均一に行き渡るように最適化した。さらに、平板円筒型のセルとしては世界で最も薄い1.5mmの厚さを実現し、小型化と低コスト化を可能にした。同社では、今後さらに高性能化を進めるとともに、他社との技術提携や共同開発なども視野に入れて開発を進めていく方針という。