国環研など、ヤンバルクイナなど絶滅危惧鳥類3種の全ゲノムの塩基配列を解読
発表日:2016.08.05
国立環境研究所(国環研)、酪農学園大学、京都大学は、絶滅危惧鳥類であるヤンバルクイナ、タンチョウ、コウノトリの全ゲノムの塩基配列を解読し、全ゲノムの塩基配列(ドラフトゲノム)情報を日本DNAデータバンク(DDBJ)に掲載・公表した。今回対象とした3種は、現在飼育下での繁殖が行われている鳥類であり、野生下に存在する系統を維持しつつ、近親交配を避け、且つ効率的に繁殖させることが重要となる。飼育個体の系統関係や遺伝的多様性の評価においては、20個程度のDNA配列などが指標となっているが、ドラフトゲノム情報を活用できれば、さらに多くの指標による評価が可能となり、適切な交配計画を策定につながるという。ゲノム解析には、国環研が凍結保存している培養細胞や組織サンプル等から抽出したDNAが用いられている。国環研では、環境試料タイムカプセル棟に保管されている希少生物のゲノム解析を継続実施し、今後5年で10種以上のドラフトゲノム情報の公表を予定している。