JAMSTECと東京大、地球温暖化時の台風の活動などに関する研究成果を発表
発表日:2017.09.14
海洋研究開発機構(JAMSTEC)と東京大学大気海洋研究所は、地球温暖化が台風の活動と構造に及ぼす影響を解明した。今回、共同研究グループでは、地球全域の雲の生成・消滅を詳細に計算できる全球雲システム解像大気モデル「NICAM」をスーパーコンピュータ「京」で実行し、のべ60年間分の気候シミュレーションを行い、地球温暖化による台風の活動や構造の変化について解析した。台風の周りの風速の分布を比較した結果、1)同じ強度(中心気圧)の台風では地球温暖化時に強風域の範囲が拡大すること、2)風速分布の変化は台風の壁雲(台風の中心を囲む雲の塊)の雲頂高度が高くなることに関連していることが明らかとなった。また、地球全体では、3)台風の年間発生数が減少傾向にあるが、強い台風の発生割合は増加しており、台風に伴う降水は増加することを、定量的に示したという。