三菱重工業（株）は、米国の大手電力会社のサザンカンパニーと共同で、500トン/日規模の石炭焚き排ガスCO2回収大型実証プラントの建設を開始し、2011年から実証運転を開始すると発表した。このプロジェクトは、サザンカンパニーが米政府からの資金援助を受け、同社傘下のアラバマ電力が所有するBarry石炭焚き火力発電所においてCO2回収から地下貯留までの一貫した実証試験を行うもの。同プラントは、高度脱硫前処理設備、排ガスCO2吸収･再生設備、CO2圧入設備などで構成され、三菱重工業はこのうちCO2回収部分を担当する。同プラントのCO2回収能力は500トン/日、CO2回収率は90%以上であり、排ガス中に不純物が多い石炭を対象に、この規模で実証試験を行うのは世界初となる。同社はこの成果を持って、地球温暖化問題の解決に向けた石炭焚き排ガスCO2回収・圧入技術の商用化を目指していくという。