気象庁は、1990年に設立した温室効果ガス世界資料センター (WDCGG)において、温室効果ガス観測技術衛星（GOSAT、愛称：いぶき）が取得したデータの提供を開始すると発表した。WDCGGは世界気象機関 (WMO) の全球大気監視計画の下、気象庁が運営している国際的な機関のひとつで、主に全世界から報告される温室効果ガス観測データの収集や解析結果の提供を行っている。今回、GOSATプロジェクト（推進機関：環境省、国立環境研究所、宇宙航空研究開発機構）が収集した2009年6月から2018年11月までのCO2観測データに関するメタデータと月別の画像ギャラリーなどを公開した。地上、船舶および航空機による”点”のデータに、GOSATによる”面”のデータを組み合わせることで、地球全体のCO2濃度分布の長期的な監視や地域ごとの排出・吸収の収支把握などへの利活用拡大を図られ、「いぶき」の後継機「いぶき2号」（平成31年2月1日定常運用開始）を含む、世界の衛星観測データ掲載によるデータ拡充等も予定しているという。