東京工業大学、初期の地球を暖めた未知の温室効果ガスを特定
発表日:2009.08.18
東京工業大学グローバルエッジ研究院の上野雄一郎助教らの研究グループは、地球初期の大気中に硫化カルボニルと呼ばれるガスが現在の1万倍以上含まれていたことを明らかにした。これまで、25億年以上前の大気は酸素を含まず、現在と全く異なっていたと考えられているが、詳しい化学組成は不明であった。同研究グループは、大気中で起る光化学反応が質量数の異なる硫黄の存在度を変えることに着目し、その過程をコペンハーゲン大学と共同で解明。これをもとに地層に記録された同位体組成を数値実験により再現したところ、当時の大気は一酸化炭素が二酸化炭素よりも多く、かつ硫化カルボニルが含まれていたことが分かった。硫化カルボニルは、強力な温室効果ガスで、その効果は二酸化炭素よりも1000倍以上大きいため当時の温暖な気候を維持する原因になっていたと考えられることから、今後、生命の起源とその進化を理解する上で重要な古環境研究の展開が期待される。
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