京大など、樹木の乾燥ストレス反応に種間差をもたらすメカニズムを解明
発表日:2019.06.06
京都大学、森林研究・整備機構森林総合研究所および南京大学(中国)の研究グループは、樹木が乾燥ストレス反応を合理的に説明し得る生理メカニズムを解明したと発表した。乾燥ストレスを受けた樹木は気孔を閉鎖することで水分損失を抑制するが、その際に光合成に必要なCO2の取り込みも抑制されてしまう。こうしたベネフィットとリスクを併せ持つ反応のタイミングやバランスのとり方は樹種によって異なることが知られているが、気孔閉鎖のメカニズムそのものは未解明な点が多かった。同研究グループは、広葉樹など5樹種の葉脈密度や、細胞膜の水透過性を制御するタンパク質「アクアポリン」活性の比較検討を行い、2つの通水経路(樹木の葉脈/アクアポリンの関与による水チャネル)はトレードオフの関係にあり、それが乾燥ストレスに対する気孔制御に樹種間差や多様性をもたらす原因であることを突き止めた。将来の地球温暖化に伴い、降水パターンの変化が予想されることから、森林影響予測モデルの高度化に寄与する知見であるという。
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