産業医大と国環研、妊婦の血中カドミウム濃度と前置胎盤のなりやすさ等に関する調査結果を発表
発表日:2019.06.14
産業医科大学と国立環境研究所は、大規模な疫学調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(愛称:エコチル調査)」を通じて得られたデータを用いて、妊婦の血中金属類濃度と前置胎盤・癒着胎盤との関係を分析し、得られた知見を発表した。胎盤が正常より低い位置に付着して、子宮の出口の一部または全部を覆ってしまう「前置胎盤」や、子宮に癒着して剥がれなくなってしまう「癒着胎盤」は、分娩時の大量出血の一因とされている。今回、17,414人の妊婦のデータを統計的な手法(多変量ロジスティック回帰)により分析した結果、血中カドミウム濃度が高いグループの「前置胎盤」妊婦数は、低いグループの2.1倍であることが明らかとなった。血中の鉛濃度と前置胎盤の間に用量反応関係は見られず、血中の金属類濃度(カドミウム、鉛、水銀、セレン、マンガン)と癒着胎盤のなりやすさについては統計学的に有意な関係が認められなかったという。
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