筑波大、炭素循環を意識した多面的な含水バイオマス資源化技術を開発
発表日:2019.06.26
筑波大学の研究グループは、空隙構造の異なるグラフェンを接合させた蒸発促進材料を作製し、バイオマスの固形分を保全しながら水分を除去する技術を開発したと発表した。同研究グループは、バイオマス濃縮技術における投入エネルギーの大きさをカーボンニュートラルの阻害要因ととらえ、従来の凍結乾燥法・遠心分離法などに代わる技術の確立に取り組んでいる。今回、化学ドープという手法を用いて空隙構造の異なる(マクロ/ミクロ)グラフェン2層からなる「多孔質グラフェン」を作製し、光の吸収性や水との親和性などを評価した結果、高い結晶構造を有しており、太陽光の95%を吸収し、水の吸い上げ・蒸発に適した構造であることが分かった。この多孔質グラフェンに真夏の正午程度の擬似太陽光を照射し、藻類の脱水・乾燥を試行したところ、藻類は熱ダメージを受けることなく濃縮され、1時間当たり1.54kg/m2の水分(水質:蒸留水レベル)蒸発・除去に成功したという。バイオマス由来の燃料や肥料に加え、純水の製造という含水バイオマス利活用の選択肢を提示できたという。
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