長崎大と京大、圃場整備による水田生態系への影響を「タガメ」の同位体分析により評価
発表日:2019.08.08
長崎大学と京都大学は、圃場整備により水田と水路の間に段差が生じ、水田生態系への影響が生じることを、生態系の上位捕食者であるタガメの窒素・炭素安定同位体分析により評価した。水田は自然湿地の代わりとして生物にとって重要な役割を果たすが、排水を促すために水路との段差を大きくした圃場においては、魚が水田に入れないだけでなく、魚の捕食者にも影響が生じる。同研究グループは、水田-水路段差の有無で、タガメまでの食物連鎖の長さの違いを、タガメの足先の組織や脱皮殻の安定同位体を分析することにより評価した。その結果、段差のある水田のタガメは、段差のない生息地のものに比べ、食物連鎖の長さが短いことが明らかとなった。この研究成果は、水田生態系における物理的な変化が、生態系ネットワークおよび食物連鎖にとって重要であることを示すものであるという。
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