岐阜大など、弥生・古墳時代の気候変動と農耕・里山利用の変遷過程を復元
発表日:2019.09.13
岐阜大学を中心とする研究グループは、濃尾平野の北西部に位置する荒尾南遺跡(岐阜県大垣市)の花粉化石などを分析し、弥生時代から古墳時代における気候変動と人々の生活様式の変遷を明らかにしたと発表した。同研究グループは、同遺跡の発掘調査(期間:2006~2011年度)において縄文時代以降の土壌を採取し、土壌に含まれている花粉化石の種類を同定するとともに、微粒炭の存在などを計測した。花粉化石については生育に適した気候条件ごとに分類し、それらの構成比率で気候を復元したところ、1)弥生時代中期に気候が温暖化し、稲作が拡大したこと、2)古墳時代から飛鳥時代にかけて気候が寒冷化し、稲作が衰退する一方で、里山の伐採や焼畑農耕が始まったこと、3)里山の伐採等により二次林としてマツ属の 個体数が増えたこと、4)東海地方の気候変動が世界的な気候変動と対応するものであったことが示唆された。花粉分析により、気候変動や植生の変遷、さらには当時の人間活動などを解明し得ることを裏付ける知見であるという。
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