筑波大、比較ゲノム解析から菌類の起源に迫る研究結果を発表
発表日:2019.09.13
筑波大学は、ハンガリー科学アカデミー生物学研究所と共同で、ゲノムデータを使用した大規模な比較ゲノム解析の結果に基づき、菌類の菌糸と多細胞性の起源の一端を解明したと発表した。この研究は、(国研)科学技術振興機構の「戦略的創造研究推進事業」総括実施型研究(ERATO)に採択されたプロジェクトの一環(研究機関:平成27年10月~令和3年3月)。同研究グループは、菌糸と多細胞性の起源を探るため、原始的な単細胞生物と、菌類でない近縁種、菌類(糸状菌または酵母)、計72種のゲノムを比較した。これまでの研究で機能が分かっている遺伝子の中から651遺伝子を選別し、それらの遺伝子について72生物種のゲノムを比較して調べた。その結果、菌糸と多細胞性に関わる遺伝子群の進化は、いくつかの遺伝的変化による祖先真核生物遺伝子の使い回しや別機能への転用と相関があることが示唆された。この研究は菌類の起源に迫るものであり、今後、醸造・発酵食品分野、抗生物質・有用酵素生産などの幅広い分野に貢献することが期待されるという。
▲ページ先頭へ
新着情報メール配信サービス
RSS