東北大、葉の形を調節する遺伝子の「地下茎」成長戦略への関与を解明
発表日:2020.01.17
東北大学の研究グループは、植物の葉の形態形成に関与していることが知られ、葉の基部側(葉鞘)の成長を決定していることが見出された(Toriba,T. et al., 2019)、BLADE ONPETIOLE(BOP)という遺伝子が、「地下茎」成長戦略に関与していることを解明した。ドクダミ、スギナ、イネ科雑草などは地下茎や匍匐(ほふく)茎を伸長させて繁殖するが、地下茎が成長する仕組みは未解明であった。同研究グループは、イネ科野生種Oryza longistaminataの地下茎の特徴やBOPの発現量を解析し、地下茎につく葉は葉身(葉の平らな部分)をもたず、短い葉鞘だけからなることを見出すとともに、BOPが葉身の成長を抑制する一方で葉鞘の成長を促進し、地下茎の葉の構造が「特殊化」したことを明らかにした。一方、葉身が成長すると地下茎の先端が十分な強度を発揮できず、地下を伸び進めなくなることや、BOPによる特殊化が地中で横に茎を伸ばす多くの植物に共通する形質であることも分かった。雑草の防除はもとより、地下茎が有用なジャガイモ、レンコンなどの生産への寄与が期待できる知見であるという。
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