京大など、台風の接近・通過に伴う豪雨イベントの発生要因を特定
発表日:2020.02.17
京都大学・防災研究所と国土交通省気象庁の研究グループは、台風の接近・通過に伴い出現する気象現象を「湿潤絶対不安定層(モール)」という概念でとらえ、豪雨発生のメカニズムを説明できると発表した。同研究グループは、台風による風水害の防止において記録的な大雨などの原因究明が優先するという視座から、令和元年台風第19号(ハギビス)発生当時の数値予報データ(中規模モデル、水平規模:数10 km以上、高度:200 km以下、時間スケール:数時間~数日程度)を分析した。その結果、当時の大雨や台風の中心および周辺部における水蒸気量の増加、上空3000~9600 mにおける湿度の上昇などが再現された。一方、大気の湿潤、積乱雲の発達、大気の不安定さが三位一体となって豪雨がもたらされることから、「モール」の厚さ分布を解析したところ、台風北上とともにモールが東日本を覆い、山岳地に流入し、層全体が押し上げられ、積乱雲が急速に発達する様子が示された。温暖化を想定した、過去の経験にとらわれない災害リスク研究が重要であるという。
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