気象研など、中部山岳地域における降雪量の長期変化傾向を予測
発表日:2020.03.11
気象庁気象研究所などの研究グループは、地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース(d4PDF)を活用した「地域気候モデル」シミュレーションにより得られた新知見を発表した。地球温暖化に伴う年間降雪量の変化については、総降雪量は減少するものの中部山岳地域や北陸地方の内陸部では顕著な大雪が増加する可能性や(Kawase et al., 2016; 地球温暖化予測情報第9巻, 2017)、d4PDFを用いた気候要因の解析結果などが報告されている(Kawase et al., 2018; Sasai et al., 2019)。今回、同研究グループは、d4PDFのデータとRCP8.5シナリオ(2度上昇、4度上昇)を用いて、現在、今世紀半ばおよび今世紀末の降雪状況を5 kmメッシュで予測計算し、さらに同研究所の「地域気候モデル」による1 km メッシュの再計算を行った。その結果、今世紀末の北アルプスにおける厳冬期の降雪量の多寡が再現され、現在のレベルを超える多雪年と、その逆となる少雪年の二極化傾向が示された。豪雪や雪崩の予測はもとより、水資源管理等にも関連する知見であり、周辺自治体における気候変動適応計画の策定などへの貢献を視野に入れた研究を進めていくという。
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