筑波大、CO2シープ調査から見えた海洋酸性化の脅威を提示
発表日:2020.04.21
筑波大学は、英国のプリマス大学およびイタリアのパレルモ大学からなる国際共同研究グループは、伊豆諸島・式根島の海底に存在するCO2噴出箇所(CO2シープ)を詳細に調査し、海洋酸性化が魚類に与える影響を示唆する基礎的な知見を得たと発表した。同研究グループは、顕著なpH低下が生じているCO2シープを 海洋酸性化が進んだ未来の海に見立て、式根島の沿岸において生物群集と魚類の個体群調査を実施した。その結果、CO2濃度が高い海域ではサンゴや大型の海藻が著しく減少しており、それらの隙間や陰を主な生息場所とする魚類の多様性が45%低下していることが明らかとなった。また、熱帯性の魚種は温帯性の魚種に比べて影響を受け易く、生息場所や食性などの選好が強いスペシャリスト種が著しく減少し、選好が弱いジェネラリスト種が生き残るといった環境適応の過程が見出された。これらの知見は、海洋酸性化に伴い魚類資源の顕著な減少が起こり得ることや、大規模なCO2削減の重要性を示唆するものであるという。
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