筑波大、CO2シープを伊豆諸島の式根島で発見
発表日:2015.09.02
筑波大学は、海底からCO2が噴き出している場所(CO2シープ)を、伊豆諸島の式根島で発見したと発表した。大気中のCO2濃度の増加は、地球温暖化だけでなく、海洋の酸性化を促進することが危惧されている。これは、CO2が海水に溶け込むことで、海水のpHが低下して、海洋生物に長期的な影響を及ぼす懸念があるためである。CO2シープでは海水にCO2が溶け込むことでpHが低下するため、この場所を酸性化が進んだ未来の海と想定し、生態系全体に対する海洋酸性化の影響を自然条件下で調べることができる。今回発見された式根島のCO2シープ周辺において、海水の成分解析を行ったところ、高濃度の硫化水素などは検出されておらず、生物への海洋酸性化の影響を評価するのに適したCO2シープであることが明らかになった。今回のCO2シープの発見は、世界で4か所目であり、温帯域ではこれまで地中海の1か所が報告されているだけだったことから、温帯太平洋における海洋酸性化の影響評価のための大きな一歩であるという。
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