北大・ザンビア大、野生トカゲの鉛暴露に関する調査を実施
発表日:2020.07.09
北海道大学とザンビア大学は、地球規模の環境課題に係る国際科学技術協力プログラム(科学技術振興機構・国際協力機構連携事業)」の支援を受けて実施した、トカゲの鉛暴露に関する調査結果を論文化し、今後のザンビア政府の計画策定に資するために共有すると発表した。同国カブウェ市では廃鉱山跡地周辺の環境中や家畜から高濃度の重金属が検出され続けており、住民の健康被害などが懸念されている。両大学は、同国に広く分布しているトカゲ(Trachylepis wahlbergii)を指標生物とする調査を考案し、224匹の暴露調査と衛星画像解析による土地利用の客観的な分類(裸地、緑地など4分類)を試行した。その結果、生体内の鉛濃度は生息地が廃鉱山に近いほど、裸地に生息する個体ほど高く、緑地のトカゲは相対的に鉛濃度が低いことが判明した。餌の影響が少ないと考えられる肺の鉛濃度が高い個体は全トカゲの19%におよび、砂塵の吸入による経気道暴露が生じていることが示唆された。植生の減少による悪影響などに目を向けた計画づくりが求められるという。
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