神戸大など、湿原における環境DNA調査の有効性を検証
発表日:2020.09.04
神戸大学、NPO法人環境把握推進ネットワーク、パシフィックコンサルタンツ(株)およびチェンマイ大学の研究グループは、湿原環境で環境DNA調査を行うことで、絶滅危惧種の繁殖地などが推定できることを実証した。生物調査の迅速化・効率化に向けて、河川の水などに含まれている特異的なDNA断片を網羅的に解析する「環境DNA分析」が活用されている。同研究グループは、環境省レッドリスト2020で絶滅危惧ⅠB類(EN)に指定されており、北海道・釧路湿原などに分布する両生類「キタサンショウウオ(学名:Salamandrella keyserlingii)」の保全活動の推進や、生息環境に負荷をかけない調査手法の確立などに資するため、同地における環境DNA調査等を試行した。先ず、同種の卵嚢(らんのう)、幼生個体および成体を入れた水槽の水から環境DNAが検出されることを確認し、次いで、現地で卵嚢の探索と環境DNA分析を並行実施した。その結果、環境DNAは採水地点から7~10 mの卵嚢の分布状況を反映していることが分かり、湿地に生息する貴重な生物種に環境DNA調査を応用できることが示された。
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