芝浦工大、「紙おむつ」の7割を溶液化するプロセスを開発
発表日:2021.03.04
芝浦工業大学は、紙おむつの約20%を占める高吸収性樹脂(以下「SAP」)を石油由来からセルロース素材に切替え、上質パルプ(約50%)とともに生分解するプロセスを開発した。近年、乳幼児用・大人用「紙おむつ」の生産量・消費量の増加に伴い、一般廃棄物に占める「使用済み紙おむつ」の割合も増加傾向にある。2020年3月、環境省は「使用済み紙おむつの再生利用等に関するガイドライン」を策定し、水溶化、構成素材の分離、回収によるリサイクル・燃料化を提唱している。同大学は、し尿を吸収し水分量が増えるSAPが焼却処理の効率を下げ、「紙おむつ」廃棄の隘路になっているととらえ、生分解性を有するカルボキシメチルセルロースと架橋剤となるエチレングリコールジグリシジルエーテルを合成したSAPを作製し、セルロース生分解経路を持つ合成微生物を添加して溶液化するプロセスを実験的に検証した。新規セルロース系SAPの吸水特性は従来品よりも優れており、固形分は12時間後に3 wt%(1.5 g/50 g)となり、樹脂以外の構成材の排水処理が可能になるという。
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