岡山大など、大気中のCO2を直接吸着し得る物質を具現化
発表日:2021.03.18
岡山大学と(公財)高輝度光化学研究センターの研究グループは、室温・大気中に存在する安定で不活性なCO2に対し、極めて高い吸着特性を示す物質を調製することに成功したと発表した。工場の排ガスに含まれている高圧CO2については、高温での反応を利用した回収法などが有効と考えられているが、高温での回収には問題点も多い。一方、低圧CO2の回収において有望視されている材料は試料調製が高額で、低圧領域(400~5,000 ppm)における性能などが課題となっていた。同研究グループは、工業的に利用されているA型ゼオライト(以下「LTA」)が室温・低分圧領域で発揮するCO2吸着現象を8年ほど前に見出していたが、吸着挙動の詳細は未解明であった。今回、新たなLTA試料を調製し、大型放射光施設(SPring-8)を利用し、遠赤外線吸収スペクトル測定、計算化学法を組み合わせ、解析したところ、同試料が室温・低分圧領域でCO2を選択的に吸着し、150℃程度での真空排気により再生可能であり、大気を模擬した混合気体からCO2を選択的に分離できることが実証された。脱炭素社会をめざしたDirect Air Capture(DAC)への適用が期待できるという。
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