京大など、河川の物質循環研究における「機械学習」等の導入事例を発表
発表日:2021.05.24
京都大学、大阪工業大学および滋賀県立大学の研究グループは、河川の窒素循環に強く影響する環境要因の広域的なパターンを「機械学習」等で特定できることを実証した。人為起源「窒素酸化物」の大気放出と地表への降下による窒素負荷の増大が懸念されており、森林生態系においても憂慮すべき事例が報告されている。同研究グループは、渓流の硝酸イオン濃度が窒素の降下量のみならず、気候条件や地形、植生、土壌、地質などの影響を受けると考え、平水時に7府県(福井、京都、滋賀、大阪、奈良、三重、和歌山)の渓流1,691本で採水を行い、硝酸イオン濃度を測定し、窒素の降下量や気候条件等の変化をGISアプリで算定・可視化するとともに、機械学習のひとつRandom Forestを用いて2つの地域ブロック(日本海側、近畿全体)における硝酸イオン濃度の規定要因を分析した。その結果、気候条件等は渓流の窒素濃度に関与していることが判明し、「雪の降り方」が森林生態系内の窒素の蓄積と循環に強く影響していることを説明できたという。
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