農研機構など、農地で難分解性炭素が形成・蓄積されるメカニズムを解明
発表日:2021.07.20
(国研)農業・食品産業技術総合研究機構と龍谷大学は、イネと鉱物が相まって農地に分解しにくい炭素が形成され、蓄積されるメカニズムを解明した。農地土壌に炭素を長期間蓄積する技術の確立が希求されている。両者は、アルミニウム等と結合した炭素が分解・放出されにくいことに着目し、研究用の水田で通算11年間にわたり、カリウム施肥を抑制した条件の下で多収イネ品種の栽培し、カリウム・ケイ酸・アルミニウム等の動態を調査した。その結果、アルミニウムと結合した炭素が10a当たり平均69.4 kgC/年蓄積したことが確認され、イネが供給した量を上回るカリウムとケイ酸を吸収していたことが明らかになった。カリウム等は土壌中の鉱物に由来すると考えられたため、イネの根と鉱物を用いた実験を行ったところ、イネの根が鉱物と接触することでカリウム等を溶出することが明らかになった。これらの知見はイネのカリウムの吸収が鉱物の風化を促進した結果、土壌中にアルミニウムと結合した難分解性の炭素が蓄積したことを示している。
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