環境省、天売島におけるウミガラスの繁殖結果を発表
発表日:2021.11.01
北海道地方環境事務所は、天売島(てうりとう:苫前郡羽幌町)における今シーズンのウミガラス(学名:Uria aalge inornata)の繁殖結果を公表した。ウミガラスは、潜水して主に魚類を食べ、離島や海岸の断崖で集団繁殖するチドリ目ウミスズメ科の鳥類で、レッドリストに掲載されている。北太平洋、北大西洋の亜寒帯を中心に分布しているが、日本国内では天売島だけに生息している。ウミガラスの減少要因は、混獲や餌資源の減少のほか、ハシブトガラス等による卵やヒナの捕食が考えられている。1982年に天売島全域を国指定鳥獣保護区に指定、1993年にはウミガラスを絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)に基づく国内希少野生動植物種に指定し保護に取り組んでいる。更に2001年には保護増殖事業計画を作成し、誘引対策、捕食者対策、生息状況のモニタリング等を実施している。令和3年度は、繁殖個体を中心とする2021年の天売島へのウミガラスの飛来数が、昨年より26羽増加の91羽確認され、25羽のヒナの巣立ちが見られた。この繁殖成功は11年連続の快挙となった。飛来数・巣立ちヒナ数ともに、ウミガラス保護増殖事業計画を策定した2001年から現在までの過去21年間で最も多くなったという。
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