福島県環境創造センター等、イノシシの放射性セシウム濃度に関する学術論文を紹介
発表日:2022.04.20
福島県環境創造センター、国立環境研究所および東京農業大学からなる研究グループは、イノシシの放射性セシウム濃度の長期モニタリング結果とその変動特性に関する研究成果を論文化した。論文のタイトルはMonitoring of radioactive cesium in wild boars captured inside the difficult-to-return zone in Fukushima Prefecture over a five-year period(和訳:5年間に及ぶ帰還困難区域内及びその周辺域に分布するイノシシの放射性セシウムのモニタリング)。帰還困難区域内のイノシシの放射性セシウム濃度の現状とその変動を明らかにすることは、区域外も含めた福島県全域における放射性セシウムの動態の把握とイノシシの個体数管理において重要かつ基盤的な知見となる。しかしながら、長期的かつ帰還困難区域内を包括するようなイノシシの放射性セシウムのモニタリングはこれまでに実施されていなかった。同研究グループは、環境省の協力のもと、緊急捕獲対策事業によって得られたイノシシの筋肉試料を利用し2016年1月から約5年間にわたる長期的な放射性セシウム濃度のモニタリング調査を実施した。豊富な情報に基づき、帰還困難区域内のイノシシの筋肉中の放射性セシウム濃度は、区域外のイノシシに比べより高い値で推移していること、経年変化に伴いやや減少傾向にあること等を明らかにしている(掲載誌: Scientific Reports、DOI:10.21203/rs.3.rs-1181824/v1)。
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