鹿島、生コンのロスとCO2を同時削減するシステムを確立
発表日:2022.04.26
鹿島建設(株)は、建設現場における生コンクリートのロスを減らし、CO2の削減を達成できる一石二鳥のシステムを開発した。工場で練り混ぜられ、現場に搬入された生コンクリートの一部は、アジテータ車のドラム内に残り、荷降ろしされることなく工場に戻されている。こうしたコンクリート(以下「残コン・戻りコン」)の大半は再利用されることなく、削減やリサイクルに向けた取組は遅々として進まない状況に陥っていた。同社は、CO2排出量の削減も念頭におきつつ、学識経験者の指導のもと、千葉県市川市の建設現場内において「残コン・戻りコンゼロとCO2削減を建設現場で同時に実現する新システム」の実証実験を行った。実証システムのフローは、1)アジテータ車から散水装置付き振動式ふるいに生コンクリートを投入、2)生コンがふるい上を通過する過程で固液分離、3)ふるい下部の水槽にモルタル分が落下、4)散水により洗われた粗骨材を排出、5)水槽内のモルタル分を攪拌、6)懸濁水状となり既存の濁水処理装置へ送出、7)液化炭酸ガスで処理することでCO2を吸収・固定して中和された処理土とpHが放流基準値以下となった処理水に分離、8)処理水を放流、を順次行うもの。このシステムを適用することで、残コン・戻りコンから再利用可能な粗骨材とCO2を吸収・固定して中和された処理土(炭酸カルシムと細骨材の混合物)が得られ、排水のpHと濁度を下げて放流可能な水になるまで処理できることが確認された。現場適用性の向上や液化炭酸ガスを重機の排ガス由来CO2に代替するといった改良を図り、建設分野における脱炭素社会への移行に貢献していくという。
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