環境省は、令和6年度脱炭素型循環経済システム構築促進事業の二次公募結果を発表した。この事業は、化石由来資源の代替素材開発やリサイクル技術の高度化を図り、脱炭素社会の実現を目指すもの。──令和6年7月16日から8月16日の期間に実施された二次公募には2件の応募があり、書類審査と有識者で構成される評価審査委員会による審査を経て、採択事業が選定された。──選定された事業は、出光興産の「使用済み潤滑油のマテリアルリサイクルを実現するための再生基油製造プロセスの構築及びその検証事業」と、全国油脂事業協同組合連合会の「国内未利用油脂からの燃料利用促進に向けたリサイクルプロセス構築実証事業」である。前者は、使用済み潤滑油の基油再生プロセスの選定と環境影響の推定を行い、後者は、飲食店や食品製造業から排出される油脂を燃料化する技術の検討とCO2排出量削減効果の検証を行う。── これらの事業は、脱炭素化と経済安全保障の観点から、将来的に重要な役割を果たすことが期待される。特に、使用済み潤滑油の基油再生は、燃料利用からの転換を図るものであり、国内未利用油脂の燃料化は、効率的な資源利用と環境負荷の低減に寄与するものとなるだろう。