経済産業省は「気候関連財務情報開示タスクフォース（TCFD）サミット2022」の結果を公表した（開催日：2022年10月5日、開催方法：オンライン形式）。同省では、気候変動問題に関する企業の情報開示の枠組みであるTCFDの提言について先進的に取り組む世界の企業や金融機関等のリーダーを集めた同サミットを開催した。今回、第4回となるTCFDサミットでは、産業界・金融界のリーダーが適切な投資判断の基盤となる開示の拡充を促すべく、更なるTCFD提言の活用に向けて議論が行われた。GXの実現には幅広い技術やエネルギー源を活用したトランジションを加速化していくこと、革新的なイノベーションの創出と社会実装を進めていくこと重要であることが主要な成果として共有された。また、リスクだけではなく、機会を特定して開示するよう促進する必要があり、脱炭素化へのシフトにこれは非常に重要であること、金融機関側では、企業の取組・戦略を中長期的な視点で評価すること、企業側ではエンゲージメントに耐えうる情報開示の対応強化が望まれるとまとめられた。更に、トランジション・ファイナンスの自律的な民間資金供給の拡大に向けて、企業が描くトランジションの道筋に対する信頼性向上が重要であるとした。新技術やその開発動向にかかる企業情報開示に加えて、政府による資金供給面での支援・関与も重要との成果を共有したという。