経済産業省は、日本として初となるレアアース（重希土類）の権益獲得について発表した。同省が所管する（独）エネルギー・金属鉱物資源機構（JOGMEC）と双日（株）は、2011年に共同で設立した日豪レアアース（株）（JARE）を通じ、Lynas Rare Earths Limited（ライナス社）が行う重希土類の生産等に関して出資を行い、日本向けに供給する契約を締結した。レアアースは、17種類の元素の総称でレアメタルの一種。電動自動車に不可欠なネオジムやジスプロシウム、HDDガラス基板等の研磨剤や自動車用排ガス触媒に使用されるセリウムやランタン等がある。今回、JOGMECと双日は、2023年3月7日JAREを通じて、ライナス社に総額200百万豪ドル相当の追加出資を決定。これは、ライナス社の中期成長計画の実行に充当され、軽希土類の増産や重希土類の分離開始などが計画されている。出資により、ライナス社が生産するマウント・ウェルド鉱山由来の重希土類であるジスプロシウム及びテルビウムの最大65%を日本向けに供給する契約をライナス社と締結した。国内需要の3割程度に相当する。同省としては、重希土類の権益獲得等に資する事業への出資支援は初めてであり、日本企業が参画する鉱山からの重希土類一貫生産プロジェクトにおける初の日本向け供給契約となるという。