（公財）日本自然保護協会（NACS-J）は、宮崎県綾町、猪八重、屋久島などの照葉樹林の保全活動を長年行ってきた立場から、鹿児島県垂水市などで計画されている（仮称）垂水風力発電事業に対して（株）ユーラスエナジーホールディングスへ意見書を提出した。NACS-Jは2022年8月に同事業が生物多様性へ大きな影響を与えることから、事業の早期段階である環境影響評価配慮書の段階で事業中止を求める意見書を提出していた。しかし事業を前進させる環境影響評価方法書の段階に進んだため、今回の意見書の提出に至った。事業予定地の8割は鹿児島大学高隈演習林内で計画されており、演習林での研究、教育面での甚大な影響を及ぼしうることに加えて、希少猛禽類であるクマタカや絶滅危惧種のラン等、生物多様性ホットスポットである当地の自然環境を損なう可能性があるという。NACS-Jでは同事業の環境影響評価方法書に対して、貴重な自然環境を慎重に評価をし直すべきであるとして意見を述べた。