タカネヒカゲ(八ヶ岳亜種)保護増殖事業計画の策定に関する中央環境審議会答申
発表日:2023.10.12
環境省は、令和5年10月4日に開催された中央環境審議会自然環境部会野生生物小委員会(第32回)で、「タカネヒカゲ八ヶ岳亜種保護増殖事業計画の策定」が審議され、省務大臣に対し10月11に答申したと発表した。タカネヒカゲは、国内では、北アルプスと八ヶ岳に生息し、それぞれ別亜種とされている。タカネヒカゲ八ヶ岳亜種(学名:Oeneis norna sugitanii)は、タテハチョウ科に属するチョウの一種で、絶滅危惧IA類(CR)分類されている。本州の高山蝶9種の中で最も高標高の2,500m以上に生息し、幼虫で2年から3年を過ごすことが知られている。かつて八ヶ岳に不連続に分布していたが、近年、ニホンジカの食害による生息地の攪乱や吸蜜源の減少、気候変動による生息地の標高及び植生の変化、違法捕獲等により、生息地及び生息数が減少している。同事業は、同亜種の生息状況等の把握とモニタリングを行い、同亜種の生息に必要な環境の維持と改善及び違法捕獲防止対策を図り、飼育下繁殖及び野生復帰を実施することにより、同亜種が自然状態で安定的に存続できる状態とすることを目標としている。同省では、今回の答申を受け、保護増殖事業計画を策定し、その概要を官報で公示するという。
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