日本自然保護協会、オオルリシジミの食草を増やす取組を紹介
発表日:2021.09.02
(公財)日本自然保護協会は、長野県安曇野市における「オオルリシジミ(学名:Shijimiaeoides divinus)」の保全活動について紹介した。オオルリシジミは、環境省のレッドリストにおいて絶滅危惧1A類とされており、安曇野市では20年近く、国営公園内の小さな保護区で細々とその個体群を維持している状態だった。このチョウの幼虫は、クララというマメ科植物(在来種)を食草とする。2017年の農地整備に伴う食草クララの移植作業を契機に、同地域において「オオルリシジミ生息域回復プロジェクト」を始まり、日本自然保護協会は同年よりこの活動に参画した。活動が実を結び、保護区以外でもオオルリシジミが広がり、2019年からは国営公園以外でも成虫や幼虫の目撃情報が寄せられるようになったとのこと。2020年には市民団体(岩原の自然と文化を守り育てる会)により約2000鉢のクララの苗が用意され、700名以上の市民により自宅など276カ所にクララが植栽された。その成果もあり2021年6月には、多数のオオルリシジミが観察されたという。2021年度はさらにクララの植栽地を増やしており、今後もオオルリシジミを守る取組を進めていくという。