北海道足寄町でオオワシが鉛中毒で死亡、禁止の鉛弾が原因
発表日:2024.01.31
北海道地方環境事務所は、鉛中毒により死亡したオオワシを回収したと発表した。令和6年1月18日、足寄町内で、同町職員が死亡しているオオワシを回収した。回収した個体は、釧路湿原野生生物保護センターに送付され、環境省から希少種の治療業務を請負っている猛禽類医学研究所が死亡原因究明を行いった。その結果、鉛ライフル弾の摂食による鉛中毒症での死亡であることが判明した。個体の状況診察した獣医師の所見では、個体は性別不明の亜成鳥で、緑色の吐瀉物が顔に付着し、胃の中からは3個の鉛片を確認した。確認された鉛片は、大小不同・扁平であり鉛ライフル弾の破片の可能性が高い。鉛中毒の特徴的な所見である膨満した胆嚢から胆汁を採取したところ、胆汁中の鉛濃度は、測定限界以上(急性鉛中毒レベルである0.65ppm以上)との結果であった。オジロワシやオオワシの主な死亡原因の一つとして、エゾシカ猟に使用される鉛弾が原因となる鉛中毒症がある。鳥獣保護管理法に基づき、北海道では全ての狩猟において大型獣捕獲用の鉛ライフル弾及び鉛散弾の使用が禁止されており、エゾシカ捕獲目的での所持も禁止されている。同事務所は、違法に使用された鉛弾による鉛中毒死と推定されることから、北海道庁へ狩猟者団体等への注意喚起を依頼したという。
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