深海の流れで発電!半永久的に自立運転可能な超小型深海帯流速計
発表日:2024.07.31
“パチっ”とくる電撃をはじめ、とかく厄介者と見られがちな静電気。自動車タイヤの回転に伴う「摩擦」で静電気を発生させ、自動運転システムを「電池不要」にするといった試みなどが盛んに進められている。奈良先端科学技術大学院大学を中心とする日中共同研究グループは深海に目を向け、摩擦帯電によるエネルギーハーベスティング技術・TENG (Triboelectric Nanogenerator)の応用研究に取り組んだ。深海は未だ多くの謎に包まれている。海洋大循環や表層から海洋内部への生物学的な炭素輸送経路(生物ポンプ)など、地球規模のメカニズムを理解するためには、深層海流を立体的かつ連続的に観測する必要がある。今回、同研究グループは、半永久的・自立的に運用できる超小型深海帯流速計(全長:20 cm)を開発した。開発機器を実海域で探索船から4,500 m以深(水圧:45 MPa超)に懸下・沈降させてテスト運用した結果、超高圧に耐え、幅広い流速レンジの測定に対応できることが確認された。また、流れで発電しながら、長期間の流速計測とデータ蓄積が低コストで実現できることが分かった。さまざまな深海研究や環境モニタリングへの貢献が期待できる成果、と訴求している(DOI: 10.1038/s41467-024-50581-w)。
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