文部科学省は「今後の原子力科学技術に関する政策の方向性（中間まとめ）」を公表した。2023年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」には、エネルギーの安定供給を大前提とした脱炭素化の取り組みの一環として「原子力の活用」が盛り込まれている。この方針は、“安全神話からの脱却”を念頭に、エネルギー基本計画に定められた原子力比率20～22％の確実な達成を目指すものだ。 今回の中間まとめは、こうした背景を踏まえ、文部科学省が設置した「原子力科学技術委員会」およびその下に設置された作業部会での意見を取りまとめ、今後の議論のたたき台として整理されたものである。原子力をGX（グリーントランスフォーメーション）やカーボンニュートラルの実現、さらにはエネルギー・経済安全保障に資する重要な技術と位置づけている。また、文部科学省は、新試験研究炉の開発・整備の推進、次世代革新炉の開発と安全性向上に資する技術基盤の整備・強化、廃止措置を含むバックエンド対策の抜本的強化を図るとしている。