気象庁は、「オゾン層観測報告：2009」を公表した。同庁は、オゾン層の保護及びオゾン層破壊による影響を把握するため、上空のオゾン量と地上の紫外線量の観測を長期にわたって続けており、世界及び日本のオゾン層・紫外線の状況とその長期変化傾向に関する詳細な解析結果を、毎年「オゾン層観測報告」として公表している。今回の報告では、1）世界のオゾン量は長期的にみて少ない状態が続いており、2009年のオゾン量は、オゾン層破壊が進む前の1979年と比べて平均で2.3%少ない。2）南極オゾンホールの規模は、依然として大きい状態が続いており、2009年の南極オゾンホールは、過去10年間（1999～2008年）の平均をやや下回る規模。3）国内3地点（札幌、つくば、那覇）における紫外線の観測によると、札幌では長期的にみて、1990年代初めから統計的に有意に増加しており、つくばと那覇についても、長期的に緩やかな増加傾向を示している、等が示された。