石坂産業、太陽光パネル再資源化施設を入間市に新設
発表日:2025.05.26
石坂産業株式会社は、埼玉県入間市において使用済み太陽光パネルのリサイクル施設「太陽光パネル再資源所」を新設し、2025年6月2日より受け入れを開始すると発表した。
太陽光パネルは、再生可能エネルギーの中でも導入が進んでいる一方で、耐用年数が20〜30年とされ、2030年代後半には大量廃棄が見込まれている。特に2012年の固定価格買取制度(FIT)の導入以降、国内で急速に普及したことから、今後の廃棄物処理と資源循環の対応が喫緊の課題となっている。
こうした背景を受け、石坂産業は「サーキュラーエコノミー」の実現に向け、建設系混合廃棄物の中間処理に加え、太陽光パネルの再資源化に取り組む。今回の施設は同社にとって初の太陽光パネル専用リサイクルプラントであり、2拠点目の処理施設となる。処理技術の中核には、エヌ・ピー・シーが開発した「ホットナイフ分離法®」を採用する。この手法では、約300℃に加熱されたナイフ状の刃を用いて、太陽光パネルの表面ガラスをセルシートなどから分離する。これにより、アルミフレーム、金属、セルシート、ガラスといった構成素材を個別に回収し、それぞれをリサイクル原料として再資源化する。施設の処理能力は1日あたり8.88トンで、処理対象は廃プラスチック類、金属くず、ガラスくず等に限定される。稼働時間は1日8時間を予定している。
同社代表取締役の石坂典子氏は、再生可能エネルギーの普及とともに廃棄物の増加が避けられない中で、破砕・埋立ではなく素材ごとの分離・回収による資源化が重要であるとし、技術開発と価値創造の両立を目指す姿勢を示している。