山麓のアブラムシは高山性鳥類の重要な餌資源だった。
発表日:2025.02.27
千葉大学大学院理学研究院の村上教授と筑波大学の飯島助教は、節足動物が高山性鳥類の主要な餌資源であることを明らかにした。──山の生態系は標高に応じて変化するが、それらの環境は資源や動物の移動を介して密接につながっている。例えば、ふもと(山麓)から頂上付近(高山帯、亜高山帯)まで移動できる鳥類が、残雪上に落下した節足動物を採食する様子がしばしば観察される。しかし、その重要性を定量的に検証した研究はなかった。本研究は、乗鞍岳をモデルとした生態系研究の一環として行われたもので、アブラムシ類を高山帯と亜高山帯で採集し、鳥類の糞からDNAメタバーコーディングを用いて餌生物を調査した。今回の調査を通じて、山麓由来のアブラムシが高山性鳥類の繁殖初期に重要な役割を果たしていることが判明した。この発見は、高山帯の生態系理解と保全策の策定に新たな視点を提供するものである。──高山帯の生物多様性の気候変動に伴う変化を予測するための新たな視点を提供するものであり、今後の応用研究の進展が期待される(掲載誌:Ecology)。