茨城大学地球・地域環境共創機構の増永講師らは、スタンフォード大学と共同開発した高解像度数値モデルを用いて、霞ヶ浦の水循環過程を解明し、水質問題解決の糸口を見出すことに成功した。霞ヶ浦の西浦と北浦の水循環をモデル化し、風による湖水の混合と滞留時間を解析した結果、西浦では湖水が風によって複雑に混ざり合い、滞留時間が長くなることが判明した。一方、北浦では単純な水交換が発生し、滞留時間が短いことが分かり、湖の形状や面積が水循環に大きく影響することが示唆された。研究グループは、今回適用したモデルは世界中の湖で顕在化する水環境問題解決に貢献するものだとしている。生物・化学的な循環サイクルを考慮した研究への発展が期待される（掲載誌：Water Resource Research）。