産総研・実装研究センター、土壌中のNPs挙動を解明
発表日:2025.04.07
産業技術総合研究所(産総研)は2025年4月、社会課題の解決に向けた技術の社会実装を加速するため、7つの実装研究センターを新設した。各センターは、エネルギー・環境・資源制約への対応、人口減少・高齢化社会への対応、レジリエントな社会の実現を共通の目標としており、分野ごとに取り組むべき課題を設定している。──ネイチャーポジティブ技術実装研究センターは、自然資本評価回復技術の確立を成果目標に掲げている。今回、土壌構造中のナノプラスチック(NPs)挙動を解明する研究を発表した。梱包材などで広く使用されているポリスチレンのナノプラスチック試料を用いて、黒ぼく土と砂質土におけるゼータ電位の測定、pH値と吸着性の関係解明など実施した結果、ナノプラスチックは、土壌中での凝集性や吸着性が高く、特に酸性条件下でその場に滞留しやすいことが明らかになった。──この知見は、ナノプラスチックの生態系への影響評価に貢献する可能性がある。また、産総研・実装研究センターが目指す、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となるだろう。