OISTら、DLと3Dトラッキングで小型魚のエネルギー消費を推定
発表日:2025.04.25
沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究チームは、エルサレム・ヘブライ大学と共同で、動物のエネルギー消費を動画から推定する画期的な方法を開発した。動物のエネルギー消費は生物学における重要な研究テーマのひとつであり、哺乳類、鳥類、魚類、爬虫類などではその測定が行われている。他方、加速度計を用いて比較的小さな動物の運動中の酸素消費量を測定し、エネルギー消費を推定する試みも行われてきた。しかし、体重が100グラム未満の小型動物に加速度計を装着することは困難であり、加速度計の物理的な大きさが高精度推定の制約となっていた。──そこで、OISTの研究者らは、加速度計の代わりに2台のカメラを使用し、動物の行動を複数の角度から撮影し、さらにディープラーニングと3Dトラッキングを用いて、動物の運動中のエネルギー消費を正確に測定する手法を開発した。この手法を小型魚に適用した結果、群れ行動の研究において導入可能であることが示された。例えば、先頭を泳ぐ魚が他の魚よりも多くのエネルギーを消費しているのか、群れとして移動することでエネルギー効率が向上しているのかなど、未解明の問題に対する新たな知見が得られる可能性があるという。筆頭著者の石川氏は「映像を活用することで、動物の行動に影響を与えずにエネルギー消費を正確に測定できる」と述べている(掲載誌:Journal of Experimental Biology)。
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