トヨタとフィンランド企業、「水素サウナ」製品モデルを提案
発表日:2025.06.03
トヨタとフィンランドのHarvia Plc(ハルビア)は、水素燃焼技術を活用した世界初の「水素サウナ」コンセプトモデルを共同開発した。ハルビアのサウナに関する専門知識と、トヨタの水素燃焼技術を融合させたこの取り組みは、サウナ文化の持続可能な未来を見据えた新たな挑戦である。
この水素サウナは、2025年6月に開催される「ワールド・サウナ・フォーラム」および7月末からの「ラリー・フィンランド」にて、フィンランド・ユバスキュラ市で紹介・実演される予定である。水素は使用時にCO2を排出しないクリーンエネルギーであり、サウナストーブに応用することで、従来の加熱方式に代わる持続可能な選択肢となる。水素の炎と暖気がサウナストーンを均等に加熱し、柔らかく心地よい蒸気「ロウリュ」を生み出す構造が特徴である。
本プロジェクトは、トヨタとTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)が長年協力してきたユバスキュラ市との信頼関係を背景に、Central Finland Mobility Foundation(Cefmof)の仲介により実現した。Cefmofは、同市のカーボンニュートラル化を支援する団体であり、水素利活用の地域展開を推進している。
ハルビアは、サウナ・スパ分野の世界的リーダーとして、製品開発からサプライチェーンに至るまで環境責任を重視しており、今回の取り組みもその一環である。トヨタは、水素を「つくる/はこぶ/ためる/つかう」の各段階で活用する水素社会の実現を目指しており、本プロジェクトはその応用可能性を広げる試みと位置づけられる。両社は、伝統文化と先端技術を融合させることで、環境負荷の少ない新たなライフスタイルの提案を行っている。