双日・Carbon Xtract・清水建設の3社は、建築構造物内などで二酸化炭素（CO2）を大気から直接回収し、さまざまな用途で利活用するシステムの都市実装に向けた事業を開始する。3社は東京都の「GX関連産業創出へ向けた早期社会実装化支援事業」に共同提案し、今回、同事業に採択された。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、Carbon Xtractが保有するネガティブエミッション技術であるm-DAC®（membrane-based Direct Air Capture）技術を用いて、大気中からCO2を直接回収する。この技術は、大規模な設備を必要とせず、小型化して分散設置が可能であり、都市部のさまざまな場所でのCO2回収に役立てられると期待されている。3社は、本事業を通じて、小型・分散型のCO2回収システムを都市実装し、回収したCO2を利活用することで炭素の循環利用が可能な都市づくりを目指す。また、2024年度から2028年度にかけて、東京都江東区にある清水建設のイノベーション拠点「温故創新の森NOVARE」にm-DAC®を設置し、日常生活で排出されるCO2を回収してさまざまな用途に利活用する実証実験を行う。まずは、回収したCO2を植物栽培プラントで活用し、植物の光合成を促進する計画である。将来的には、都市部のさまざまな場所にm-DAC®を設置し、CO2をセメントやコンクリートへ固定化したり、炭酸水や炭酸シャワーの原料にするなど、多様な方法で活用を進める計画となっている。