環境省、プラスチック資源循環モデル事業の成果を公表
発表日:2025.07.10
環境省は、令和6年度に実施した「プラスチック資源循環に関する先進的モデル形成支援事業」の成果を公表した。本事業は、地方公共団体によるプラスチック使用製品廃棄物の効率的な分別収集・リサイクルを促進することを目的とし、全国7自治体において実証的な取り組みが行われた。
同事業におけるプラスチック資源循環とは、使用済みプラスチック製品を再資源化し、環境負荷を低減する取り組みを指す。近年の海洋汚染や温室効果ガス排出の問題を背景に、国内外で注目されている。従来の容器包装リサイクル制度に加え、製品系プラスチックの回収・再利用が求められている。
本事業では、塩竈市、須賀川市、飯綱町、稲沢市、津市、松山市、三郷市が参加し、それぞれの地域特性に応じた一括回収や分別収集の実証が行われた。具体的には、プラスチックの組成調査、住民アンケート、周知活動の効果検証、CO2排出量とコストの分析などが実施された。津市では汚れ付き容器包装の再商品化に関する成分分析も行われ、松山市では域内循環技術の調査が進められた。三郷市では、製造事業者と連携し、ペットボトルキャップの拠点回収に関する実証が行われた。キャップ回収ボックスの設置前後での組成調査や市民・学校向けアンケートを通じて、回収効率や住民意識の変化が分析された。
これらの成果を踏まえ、環境省は市区町村向けの手引きを改定し、CO2排出量と経済性を概算できる簡易計算ツールを新たに作成した。これにより、自治体が一括回収等への移行を検討する際の参考資料として活用される見込みである。
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