スギ雄花花芽調査結果ほか、2025年花粉症対策(まとめ)
発表日:2025.12.23
内閣官房は令和7年1月30日、「花粉症に関する関係閣僚会議」において、令和5年に策定した「花粉症対策 初期集中対応パッケージ」を基礎とするフォローアップ報告を公表した。本年度の施策は「発生源対策」「飛散対策・予測支援」「発症・曝露対策」の三本柱で構成され、関係省庁の取り組みを横断的に整理している。要旨として、スギ人工林の伐採・植替え加速、花粉の少ない苗木の普及、スーパーコンピュータとAIを活用した三次元気象情報の整備、制度運用の周知が示された。
発生源対策では、林野庁が令和7年4月1日時点で各都道府県が設定したスギ人工林伐採重点区域を公表した。対象は全国のスギ人工林面積の約2割(約100万ha)に相当し、伐採・植替えを集中的に進めるため、森林の集約化、路網整備、高性能林業機械の導入を組み合わせる枠組みを提示している。さらに、花粉の少ない苗木の普及を加速し、無花粉・少花粉スギの生産割合を引き上げるとともに、ヒノキでも少花粉品種の開発を進める。伐採材の需要拡大策として、JAS材利用促進や建築基準の合理化も並行して推進されている。加えて、都市圏における花粉発生源対策を強化するため、「三大都市圏花粉発生源対策推進会議」が開催され、地域の課題解決に向けた議論が行われている。
飛散対策・予測支援では、気象庁が民間事業者向けに気温・風・降水の予測データを提供し、スーパーコンピュータとAIを活用した詳細な三次元気象情報の提供計画を示した。厚生労働省は令和7年1月の事務連絡で、花粉症予防行動の普及啓発資材を用いた周知を実施した。スギ花粉予測に係る取り組みの一環として、環境省は令和7年12月23日にスギ雄花花芽調査の結果を公表し、過去10年平均比で着花量が200%以上となったのは9道府県(北海道328%、大阪府315%、奈良県312%など)、50%未満は青森県44%、岩手県49%であると報告している。また、観測地点ごとの詳細情報も提供し、民間の飛散予測精度向上を継続的に支援している。
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