ダイキン工業（株）は、蓄電デバイスとして市場拡大が期待される電気二重層キャパシタ （EDLC）用として、耐電圧性に優れたフッ素系電解液を開発し、2010年11月からサンプル出荷を開始すると発表した。従来、汎用のEDLCでは、設計電圧の2.5Vを超える高電圧作動時に、電解液の分解や劣化に伴う蓄電容量の低下、抵抗値の増大などの問題があった。今回、化学的安定性の高いフッ素系電解液を使用し、高電圧に合わせた電極構造の最適化も行うことで、3Vの高電圧で安定的に作動するEDLCの実用化が可能となり、汎用のEDLCに対してエネルギー密度を40%向上できるという。同社は、韓国メーカーであるビナテック社の協力を得て、同電解液を使用したEDLCを試作し、高温・高電圧作動時の耐久性について実用性を確認。今後は、パソコンの無停電電源装置（UPS）などの既存用途に加え、EV（電気自動車）、ハイブリッド車や風力発電装置、太陽光発電装置などのエネルギー分野での適用拡大が期待されるという。